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2008年 10月 09日
車じゃないよ
彼のことを考えると宇多田ヒカルの歌「ぼくはくま」が頭の中をぐるぐる回る。
隈さんのレクチャーに行ってきました。
シカゴの美術館で展示をするらしく、それがメインで今回はアメリカに来ているらしいです。
シアトルの後、ポートランドにも立ち寄ってから、シカゴ、
その後ワシントン州立大の宮坂さんの招きで州立大のほうにも行かれるとか。

日本でも一度講演に行ったことがあるのですが、
アメリカでしかも建築関係以外の一般のひとも含まれる中では講演の進め方もやや異なってました。
日本の伝統や文化を西洋と比較したりという導入後に、自身の建築作品に入っていく。
確かにそのほうがアメリカ人にはわかりやすいだろうなと。
(日本文化を現代的に組み替えた建築家の代表みたいに思ってもらえるかも。安藤さんと自身との違いもちらっと言及されていました。)
あとは、抽象的な難しいコンセプトの話などは無しでした。あくまでわかりやすく。
NHKのプロフェッショナル出演のときとも、内容はだいぶ違っていましたね。

講演を通して思ったのは、きれいな作品をつくる建築家は日本にもたくさんいる。
その中で、隈さんの建築が他の建築家と違ってユニークな点がいくつかあるなと。

ひとつは、素材への感性と勇気。
伝統的な素材も、新素材も、積極的に挑戦し使っていく。
しかも今までにないようなやり方で。
きっとかなりの時間と費用をその実現のためのテストに費やしているはず(普通はここで挫折)。
ディテールとかユニークな場合が多いのだけど、予算が気になる。そこがかなり謎。
予算内であれができるというのは驚き。ちょっ蔵広場の格子状の石の壁とか。

そしてもうひとつは、素材のテーマを絞り込むことで、それが建築のコンセプトとなり強さとなっている。
竹なら竹が際立つように。石なら石が、土なら土が、木なら木が。
だから、ひとつのプロジェクトで用いられる素材の種類は
一般的にあふれている建築よりも少ないように思う。少なくとも目に触れる部分では。
それは、建築写真を見たら一目瞭然で。

この引き算的なやり方、今の職場でやろうとしてもなかなか周りの賛同を得られないのが悲しい。。

by ogawa_audl | 2008-10-09 09:43


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