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2008年 10月 01日
新しい開口部、あるいは人と壁と外気の新しい関係
先週出したコンペ案で考えたこと。
求められたプログラムは大きく二つ。
環境変化の観察施設、そして五感を研ぎ澄ます能力の向上。

五感について。
身近な環境の変化は主に、手、足、顔(頭)で感じ取っている。
五感のうち4つは顔に集まっているし、お湯や水の温度をみるときは手や足を使う。
また、露天風呂での顔と体の温度差、足湯の暖かさ、厚着をした冬に顔で感じる外気の冷たさ、のように
体の部位によって感じ方にコントラストがあったほうが感覚がより際立つ気もする。

そんなかんじで、両手、両足、顔にフォーカスして環境を体感する方法を考えていたところ、
浮かんだのが、室内からその部分だけを外気に出したらどうだろうかというアイデア。
円形のガラス窓は、取り外し可能。
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思いついたときは、ちょっと見た目きもいよな~と思ったし今でも思っているけど、ありえないこともないかなとも思う。
稲中卓球部の着ぐるみとか、吉田戦車のかわうそ君とか、アメリカの怪しいお店のシステムなどが浮かばないこともない・・)
現実の建築にも適用可能じゃないだろうか。
この気持ち悪さをいかにイメージさせずに見せるかというのがプレゼンの最重要ポイントだった気がする。
普段使わないピンクを使ってみたり、手描きのスケッチを混ぜてみたり。

観察施設としては、タワーであり記憶装置であるというもの。
環境の変化の様子は、海水面、氷床の厚み、森から砂漠化、逆に砂漠が森に、というように
垂直のレベル変化がわかりやすいのでそれを見るためにタワーに。
そして、それぞれの階から見える景色を映像で記録する記憶装置としての機能も。
360°の風景を見るために円形のプラン。
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内部空間の見た目もそれなりに成立するはず。
壁にはその階からかつて見えた過去の風景が日付とともに映し出される。
窓から見える現在の風景との比較が可能。
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この手足顔を外に突き出すというシステム、
胴体は室内環境で安全性も保たれながら、五感は空中に、あるいは自然環境の中にある、
というちょっと不思議な体験が出来そうな気がしてます。

実際に都市の中でやってみても、不思議な風景が生まれるんではないでしょうか。
エアコンで足が冷えるという方は、暖かい外気に足を出してみては。

や、でもやっぱきもいか。
でもそのうち慣れるんじゃない?

周りの知り合いに見せたところ、爆笑も真面目な考察も含め、それなりにウケてたのでそれだけでも作ったかいアリ。
屋外の席でビールを飲んでいるときにアメリカ人の友人のひとりは向かいのビルを見上げながら
「セクシーなオネエサンの足が壁から出てたらいいなぁ。。」とかアホなことを言ってました。

こういうアイデアを提示して反応をうかがうのが自分にとってのアイデアコンペの意義。
現在の状況では、仕事のプロジェクトでこれをやろうとしても即却下でしょうね。

by ogawa_audl | 2008-10-01 10:02


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