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2010年 03月 29日
Pritzker prize 2010
建築界のノーベル賞とも例えられるプリツカー賞の受賞者が先ほど発表されましたね。

SANAA!

1995年の安藤忠雄さん以来ひさびさの日本人建築家の受賞。(歴代の受賞者
予想では、SANAAに加え、スティーブン・ホール、伊東豊雄さん、坂茂さん、リベスキンド、ディラー・スコフィディオなどの名前も挙がっていました。
予想リストに日本人が3組もいることが単純にすごいんですが。

こちらにSANAAの妹島・西沢両氏の受賞直後のインタビューがあります。
こちらのスライドショーで彼らの作品をざっと見ることができます。
さらに詳しく作品を見るならこちらでSANAA作品をクリック。

おそらく日本のニュースなどでも流れているのでしょうが、
これによって一般の日本社会の中で、少しでも日本人建築家や建築デザインについての興味や評価が高まることを願います。

追記:
プリツカー賞の公式サイトで雑誌風にまとめたページができていました。
こちら(ページをめくると音がする)

# by ogawa_audl | 2010-03-29 03:23
2010年 03月 01日
2月のあれこれ
短期決戦で取り組んだプロポーザルに勝利。
場所はクリーブランド。建築でもあり都市の中心的な公共空間ともなりそうな大き目のプロジェクト。
街の核となるプラザの地下がコンベンションセンター+プラザに面する5階建てくらいの展示とカンファレンスのための建物、
という二つの建築をたった6ヶ月でデザインするというやや無理のあるスケジュールが間もなく始まる。
これに合わせて近々人員を増やすらしい。

同僚に半ば強制的に誘われて、数回のディスカッションの後、週末1日半の作業でコンペ提出。
シアトルの既存のAlleyをデザインするというコンペ。

シアトルのランドスケープ事務所GGNのパートナーの一人、Shannon Nicholによるデザイン・サロンへ。
主にシアトルの都市計画とランドスケープについて。
この地域は今でもかなり森とかが都市に隣接しているが、オリジナルの状態に比べてかなり
木々が減ってしまったという。特に地元にもともと生えていた種類の木々などが。
ダウンタウンのストリートにもっと木を植えたり、コンクリートの表面に苔をあえて付着させたり、という提案も。
個人的には以前はダウンタウンの中心に核となる公園なり広場が必要だと思い込んでいたけれど、
彼女の話をきいていて、シアトルはシアトルのやり方をとればいい、必ずしもカンポ広場は必要ない、と
考えが変わったのが大きかった。

バンクーバーで報道センターとして使われているコンベンションセンターを今の勤め先が設計したのですが、
それが環境指標のLEEDの最高ランク・プラチナを受賞したということで、それに関しての
ウェブ上のマーケティングを志願してやってみる。
10くらいのサイトに送って3くらいのサイトに掲載される。
有名なところに掲載されると、その後そこを元にして、ほかのニュースサイトやら個人のブログやらに
どんどんコピーされてゆく。
掲載されてから1週間ほどトラッキングをしてみての発見は、
建築系サイトに掲載されるよりも、エコ・グリーン系サイトに掲載されたほうが、その後の広がり方が大きいということ。3倍くらい違う。

UWの同級生とその奥さんが以前から企画していた日本酒パーティのお手伝い。
彼らと協力して酒のつまみにエセ日本料理をつくる。
すき焼き、チャンチャン焼き、おにぎり、あさりの酒蒸し、かまぼこのオードブル、たことわかめとキュウリのサラダなどなど。
彼らのコンドに20人くらい集まる。結構日本に行ったことがあるひとたちがいて、いろいろ話す。
お礼にpeter miller bookstoreのギフト券をもらってしまった。すでに名前が入っていたので有難く頂戴しました。

デンマーク・コペンハーゲンのGehl ArchitectsのパートナーHelle Soholtによるアーバンデザインのレクチャーへ。
アーバンデザイン系のレクチャーではこれまで見た中で一番かも。
歩いて楽しめる都市になれば、人は集まり都心居住も進み、域内の経済も安全も向上する、というのを
コペンハーゲンとオーストラリアのメルボルンとNYの事例を交えてわかりやすいグラフィックと数字で魅せる。
個人的に現在都市として一番面白そうだと感じるのがコペンハーゲンなのだけれど、
そこもつい30年前には、誰も屋外でお茶を飲んだり食事をしたりなど考えてもいなかったのだとか。
確かにコペンハーゲンの30年前の写真は、自動車中心の街で、現代アメリカのありふれた都市のよう。
都市文化は30年で作り変えることができる。
彼女は、UWでスタジオを教えていたこともあり、そのときにシアトルのダウンタウンをリサーチし、
学生と共に街行く人々千数百人にアンケートをしたりしている。
シアトルのダウンタウンを手っ取り早く改善するにはこうすればいい!といういくつかの提案も。
このレクチャーに行ってよかったのは、レクチャーの中で知ったことのほかに、
自分の中で考えていたことがなんとなくつながったこと。
歩いて都市を楽しめるようにすれば、周辺でみなお金を落とすようになり、地域の経済が向上する、というレクチャーの話と、
情報化と豊かさの達成で、遠出をしなくなりご近所で買い物や生活を完結している新しい若者が増えているという話がうまくつながった。
若者が大人しくなったとか消費しなくなったとかではなくて、本当のところは、
物質的豊かさの達成と情報化と都市化に導かれた当然の結果といえるのかもしれない。文化の成熟。
ダニエル・ピンク著のハイ・コンセプト(原題A Whole New Mind)ともつながってくる。

レクチャーのパワーポイントがこちらで見れます。
ビデオもあります。

# by ogawa_audl | 2010-03-01 15:02
2010年 02月 04日
美術館みたいな家みたいな
別のパートナー(社長)の家に行ってきました。
これまた年末のクリスマスパーティのオークションで落札したディナー。でも昼だったので正確にはランチですが。
創業者の一人であるジョンは、家柄もよく、余裕というかオーラというか金の匂いというか、そんなものを感じます。
そのジョンの別荘に行ってきました。これまた同僚7人で。
ジョンと奥様がお出迎え。

シアトルの対岸の島に彼は2年前に週末用の別荘を建てました。
デザインに2年、建設に2年の歳月をかけて。
デザインは全て自分で。ディテールのデザインまで全て。階段の手すりも、家具も、棚やドアの取手も全て。
カーンのようなデザインもあるし、ノースウエストの雰囲気もあるし、日本の民家的な感じもある、そんな家。
立地は小さな入り江に接した森の中。室内からドーンと入り江の水が見える。庭から続く岸にはプライベートの桟橋。
庭もこれまた凝っていて、中国から持ってきたという石がふんだんにつかわれている。石の階段などちょっと遺跡みたい。デザインはなんとGGNによるもの。
そして暖炉が家中に。庭にも暖炉。
もうひとつ、家中にあるのが、さまざまなアート。トーテムポール、絵画、写真、書、などなど。ゴージャスな庭と相まって、美術館みたいに思えてくる。
室内はスキップフロアで、各部屋の間に数段の階段。部屋と部屋の間にはドアがないので、視線が抜ける。
そして地下にはビリヤード部屋と、ワインセラー。
8畳くらいの部屋ひとつがワインセラーなのはすごすぎて笑えた。
フランス、イタリア、ポルトガル、オーストラリア、アルゼンチン、アメリカと世界中のワインが床から天井までぎっしり並んでいる。
そしてどれを飲んでも美味しかった。ワインバー並みかそれ以上の量と種類でした。

ほんとの金持ちってすご。。という感想。
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# by ogawa_audl | 2010-02-04 16:05
2010年 01月 28日
iPad
iPadのビデオを見た

久しぶりに、欲しぃ!金なら払う!と思えるプロダクトに出会った。
音楽を聴く、ネットをする、メールをする、本を読む、映画を見る、ということがこれひとつで簡単にできる。
持ち運びも簡単。

この画面の大きさと持ち運びの手軽さは、映像や画像の文化を進化させる気がする。
自分でつくった映像をちょっと人に見せる、という行為がかなり楽になる。
高解像度の写真もその美しさをひとにその場で見せて伝えることができる。
携帯では画面が小さすぎたし、ノートパソコンでは見た目重たいし、ディスプレイを開いたりと手順がめんどうだった。

デジタルの本iBooksもiTunesのように拡がりそうな気がする。(AmazonのKindleはピンチだが。。)
紙印刷の本の欠点である置き場所や重さの問題もある程度解決できそう。
本当に身近に置いておきたい本は今のように紙のもので買ったらいいと思うし、
単純に内容だけが欲しいときは、デジタル本を読めばいいと思う。
文章の気に入った箇所をコピーして自分のアーカイブにするのもいいだろう。

バッテリーが10時間というのもすぐれもの。
未来のパソコンの姿の原型が出た感じがする。現在のラップトップのカタチは淘汰されるだろう。
iPadはもともと存在していた「ノート」のカタチをそのままデジタルにしたようでいい。なんというか身体との相性が。

# by ogawa_audl | 2010-01-28 17:06
2010年 01月 24日
楽しいディナーでした
土曜に、事務所のパートナー(社長)のマークのコンドミニアムでディナー。場所はベルタウン。

実はこれ、年末のクリスマス・パーティで、サイレント・オークションで落札したもの。
毎年クリスマス・パーティで行われるオークションで集まったお金は、
United Wayというコミュニティ向けの慈善団体への寄付となる。
ディナーには自分も入れて同僚6人(Adrian, Leo, Rafael, Clint, Tyler, Myself)で参加。
「なにか持っていくものはありますでしょうか?(半分冗談で)ドレス・コードはありますか?」
というような質問を事前にしたところ、二つのリクエストが返ってきました。
白黒の服で来ること、花束をもってくること。
みんなちゃんと従って白黒の服で統一。花を持ってきたのは6人中3人だけだったけど。

まず室内がおもしろい。コンドは片流れの形をしていて、室内はコルビュジエのユニテのように2階建てで、
上階と下階が斜めの天井の吹き抜けでつながっている。
上階のドアから入って、階段を降りて下のメインの階へ。
建物の西から東までひとつのユニットになっているので、間仕切りのない長い壁が続いており、
そこには長い掲示板のようなものの上にいろいろなアートや写真や手紙などがランダムに飾られている。

吹き抜けの下の階は、リビング、アイランド・キッチン、ダイニングが連続した一室空間にあり、広々。
リビングに面した西側の窓からは海が見える。南側の窓とバルコニーからは、ダウンタウンのビル街が一望。

マークが作ってくれるカクテルを飲みながらアピタイザーをつまみつつしばし談笑。
料理はマークのパートナーのキャリー(アーバンデザイナー)が準備。
キャリーのお子さんのルーシャとオーギもお手伝い。利発でいい子達。
マークによるコンドミニアムのツアーの後、みんなで長いテーブルについて、食事。
会話も盛り上がる。

食事の後、全員によるジャグリング。リズムに乗って、輪になった10人がボールやらライムやらを特定の相手に投げる。
空間にボールが飛び交う。
これが結構楽しい。楽しませ方を知っているマークならでは。マークは大道芸の学校に行っていたこともある建築家。
その後、別のゲームを2つして、楽しい時間を過ごす。
おそらくOnce-in-a-lifetime experience(一生に一度の体験)になるんでしょう。いい思い出になりそうです。

# by ogawa_audl | 2010-01-24 16:24