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2009年 11月 16日
Alex Steffen 2
二晩続けて講演を聞きにいったのですが、二日目はちょっとがっかり。
前日のフリだと、シアトルを例にとっていろいろ話すかと思っていたのですが、
そういった部分はほんのわずか。あとは前日と似たような包括的な話がメイン。ちょっと前日とかぶってたし。

彼がシアトルに対して望んでいたことは、簡単に言うと、北米で最初のカーボン・ニュートラルな街をつくりましょう、ということ。
出来る限り車を街から締め出して、自転車を使いましょう、
街の中心部をもっと高密化して、歩いて暮らせる魅力ある都市生活をしましょう、
とそんな感じ。

自転車といっても、シアトルは秋から春まで雨が降るので、その時期自転車はかなりやる気のある人じゃないとつらいと思う。
仕事場にシャワー室などが完備されてでもしないと。
でも彼は、同じような気候の北欧やオランダでも自転車にみんな乗ってるんだから、と言う。
うーん。

ここでちょっと考えたのは、ダウンタウンで南北に走る通りのどれか一本を自転車専用の屋根付きにしたらどうかと。
透明な素材で出来たアーチ状のトンネルの下を、少し前の北京のようにたくさんの自転車が走る。
屋根そのもののストラクチャもかっこよくデザインして木漏れ日が落ちるかのようにできるし、
区画ごとに、屋根のデザインをアーティストに作らせてもいい。
屋根の表面あるいはそこから吊り下げて広告による収入を得てもいい。
屋根の上から落ちる雨水はアーチ上の表面を伝って地上の緑を潤す。
そんな妄想が膨らんだので時間が出来たら絵にしてみようと思う。

さて講演の内容に戻りまして、
彼の指摘では、シアトルの現状は低密度でありデザインも貧しいという。
実際は歩いて暮らせる街に住みたいというひとが多いものの、まだまだそれが実現できていない。

ここで思ったのは、
郊外の一軒家にあって、都心の集合住宅にないものって何だろう?
ということ。
例えば、豊かな自然や緑、自分の庭、子育てに適した安全性、などかな。
今は昔、郊外型新興住宅地のリサーチをしたときに、住民の方々へのアンケートでも、
その地域に対して評価が高かったのが、緑や公園など。
一方で、安全面に関しては、懸念が高まっていた。つまり郊外だからといって以前ほど安全ではなくなっているということ。
では、都心の暮らしでは得られないと思われているそれらを、単純に都心の集合住宅でも導入してあげればいいんじゃないかと。
各戸庭付き緑が豊かな集合住宅。
そんなんできるのか、と思いきや、すでにそれに近い試みをしているのがコペンハーゲンの建築家BIGによるMountain Dwellings。
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コンセプトと建設の様子をまとめたビデオはこちら
これは回答のひとつですが、カタチに関してはもっといろいろ考えることはできそうです。

あと面白かったのが、シェア のアイデア。
ひとりがひとつずつ所有するのではなく、複数の人でシェアをすることで、全体の数を減らして環境への負荷を減らそうというもの。
わかりやすい例でいうと、車や自転車のシェアというのはすでにあります。
しらなかったのは、日曜大工の道具とか、ファッションのシェアもすでにあるということ。
漫画喫茶はマンガをシェアしていますが、漫画喫茶の工作版みたいなのもあるそうです。
そこに行けば、日曜大工道具から、最新のレーザーカッターやら3Dプリンターやらを格安で使うことが出来る。
工房を時間割りで借りる感じでしょうか。

これを見ていて思ったのは、
シェアの好みによる、新しいコミュニティみたいなものが生まれそうだなと。
それから、極限ぎりぎりまでシェアできるものとできないものの境は何だろうか、と。

あと、IT系の話がありました。
ITをうまく使うことで、特に途上国のひとたちの生活を劇的に改善させることができるという。
まぁよくある話です。

IT技術の未来に関して、以前見たことがある映像を紹介。

ひとつはマイクロソフトによるもの
身近に存在する物理的な表面は全てタッチスクリーンになる、という。
ふと思ったのは、映像の中で描かれている建築は、現在存在しているものとそう大差ない。
マイクロソフトのひとたちは、建築デザインの未来に対して特になにも期待していないってこと??
実際にこういう技術が普及したと仮定したとき、タッチスクリーン化した建築の最適解というのを考えてもおもしろいかもしれない。

二つ目は、ノキアによるもの
携帯が多機能でスマートな存在になる。
i-phoneは日本の携帯は既に近いものとなっていますが、
ナノテクノロジーを用いて、さらに軽くてうすくて身体になじむものを追求しているようです。
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by ogawa_audl | 2009-11-16 14:53
2009年 11月 12日
世界と人の世界と
どうもつきつめてゆくと、いろいろなものが生まれてくるときの源は、

(時間)×(エネルギー)×(創造性)

のただ3つじゃないかなと。
労働は上の3つから生まれるある種の価値交換で、お金もそう。どちらも人がつくったゲームの中で有効な副次的なもの。

そして、時間・エネルギー・創造性は、ひとに与えられた時間が有限である以上、
あるときプツリと終わってしまう有限なもの。
どこまで使いこなせるか。

最近ちょっと迷いがあったというかネガティブになっていたんですが、
フラーについて読んだり、新しいテクノロジーについて知ったり、マイケル・ジャクソンのThis is itを観たりして、
また息を吹き返してきました。創りたい欲求も学びたい欲求も上昇。

フラーのモルモットBの考え方に勇気をもらう。
モルモットYにどこまでなりきれるか。
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by ogawa_audl | 2009-11-12 16:40
2009年 11月 12日
Alex Steffen
仕事の後にレクチャーへ。
Alex Steffenは、
シアトルを拠点として世界的に活動する環境系のライター・ブロガー・ヒューチャリスト。
コペンハーゲン市やカルガリー市の環境系アドバイザーもしているそう。
彼が率いるworldchanging.comは世界でも最も読まれている環境系ウェブマガジンのひとつだそうです。
洞爺湖サミットに引き続いて今年12月に行われるコペンハーゲン・サミットでも講演をするよう。

今日のレクチャーは、地球規模の環境問題や都市問題などの今とこれからについてざっとまとめたようなものでした。
ほぼ同じ内容のビデオがネットでも見れます。
しかも日本語字幕付きのものがあるので、興味があったら見てください。
なかなかおもしろいです。17分ちょっと。

個人的に面白いと思ったことや発見をいくつか。

環境問題を解くには、発展途上国のひとたちが今後どのようになってゆくかがとても重要で、
そのためには、発展途上国での貧困や教育を改善することが鍵になるということ。
そしてそれを実現するには、彼の提唱するbright-greenという前向きな環境対策やライフスタイルが必要になるということ。

途上国で使われる、ローテクでありながら生活を改善しかつ見た目もいいといういくつかのデザインがいいなと。

また驚いたことは、3日半(ビデオの中では4日間)で、シアトルと同じ規模の都市が生まれているということ。
しかし、それらの都市は発展途上国の都市であり、都市環境としてはそれほどよくない。

コンパクトで、環境志向で、かつアクティビティがあって楽しい街の例として出てきたのが、
バンクーバー、コペンハーゲン、バルセロナ。

などなど。



さてここからは、建築・都市関係についての個人的な考察を。

先進国とくに日本では建築関係の仕事が減ると言われています。
まぁそれは確かに、これまでの時代と比べると否定できない。
マネーゲームの破綻によるとばっちり不況で今は余計にそう感じるし、特に日本では建設系の予算が削られている。

では、建築や都市関連の仕事がなくなるかと言うと、
どうもそうではなさそうだなというのが、今日のレクチャーを聞いて感じたこと。

むしろ、増えるような気がする。

ではどんなものがあるのか。
ちょっと考えてみました。

1. 既存の都市を環境都市化する
  その例が、コペンハーゲンやバンクーバー。
  そのためには、環境都市というものの価値が一般に受け入れられる必要がある。そうしないとお金は流れないので。
  でもそうなっていくのはどうも間違いなさそう。
  日本において、先進的な環境都市といわれるような都市ってまだないんじゃないかと思う。

2.途上国で加速度的に生まれてくる都市を向上させる
  3.5日間でシアトルと同規模の都市が生まれてきているんですが、
  その内容はというと、スラムやバラックが多い。
  ここを魅力的な都市環境にしてゆくことは意義もあるし、そこの住民が豊かになればまた新たな市場となるはず。
  日本から見れば、ほぼ全て海外の仕事となるんでしょう。

3.新しい都市のビジョンそのものを描く
  これは実務的なビジネスというよりは少しアカデミックになりますが、
  明確な都市像を数値と文と絵で見せる(魅せる)ことはそれなりに価値があることだと思います。



数十年遅れて、バッキー・フラーのアイデアがようやく実現しようとしているみたいに見えます。
しかも、その時間的な遅れを、当時からその通りに予測していたフラーはすごい。

(明日も同じAlex Steffenによるレクチャーがあります。今度はシアトルにフォーカスするそうなので、引き続き聞きにいくつもり)
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by ogawa_audl | 2009-11-12 16:03
2009年 11月 04日
今年3回目の
その一日いやーな空気になるわけなんですよね。

今朝また社内で予告なしで突然のレイオフの嵐。
今年に入って3回目。前回からまだ2ヶ月ほどしか経っていない。
今回はこれまでで最も多い人数。全体の15%くらい。それに結構長く勤めていたひとたちも被害にあった。
いよいよぎりぎりのところに来ているんだとわかる。

これまで見てきたレイオフは、だいたいが若い連中か、最近入ってきたばかりの比較的新しいひとたちが被害にあうことが多かった。

今回違ったのは、それなりに能力もあるし、会社のために残業も含めてがんばっていた30台半ばから後半のひとたちが被害にあったということ。
ぎりぎりのところで組織として回る人員と効率を考えてのことのようで。

役職がつくまで行かない経験年数5年から10年の世代は、
経験ではその上の世代には及ばないし、BIMなどの導入で新技術の獲得が求められる場面では
若い世代ほどうまく使いこなせない。同じくらい使いこなせても若い世代よりも給与が高いのが組織としての効率化ではマイナスとなってしまう。

今の流れをとことん突き詰めていくと、
役職レベル(組織のマネージメント)+若い世代(新技術を使いこなせてかつローコスト)
ということになる。
その場しのぎにはなるかもしれないけれど、これでは人材が多く育たないように見える。
転職が当たり前のアメリカでは、人材は外部から獲得したらいいので、内部で育てる必要はないのかもしれないが。
しかし、業界全体がそうなってしまうと、では誰がいったいどこで未来の人材を育てるの??ということになる。
こういう不況下では、一時的に人材が育たない「谷間」のような時間になる。
逆に、同世代に競争相手がいなくなった中で運よく生き残って育つことができたひとは、その後引く手あまたになるんでしょう。
実はこういうことは、アメリカの建築業界では今の40代くらいのデザイナーで起きている。
彼らが大学を出たときは、不況で仕事がなく多くのひとが別の業界に行ったかららしい。

さて若い世代がこれからどうしてゆくかですが、
いろいろなところでよく言われているように、新しい技術にも柔軟に対応し吸収していく姿勢が
もうずーっとずーっと中年になっても必要になってくるということなんだと思います。
まぁ正直しんどいんですが、何か新しいものが身につくというのを楽しんで前向きにいくしかないかと。

これから社会に出て行く学生さんたちに関してましては、
創造性や思考力ももちろんなんですが、
時間に余裕があるうちに、最先端のスキルなりを身に着けておけば、
市場に出たときに結構重宝されると思います。
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by ogawa_audl | 2009-11-04 13:28