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2005年 02月 09日
Lecture Series
昨日の晩、大学で特別講演会を聴講しました。
これは、今学期1週間に1回くらいの割合で、建築家等を招いて講演していただくというもので、今回が3回目。もちろん無料です。
1回目はXiaodong Li という40代くらいで北京の清華大学の教授で建築家の方。
2回目は雪で飛行機が飛ばなかったためランドスケープアーキテクト本人が来られず、延期。
そして今回の3回目はSasaki Associates, San Francisco の方と、ARUP,San Franciscoの方でした。
このシリーズはあと2回ほど続くようです。最終回はmy architect/ a son's journeyを撮ったカーンの息子さんらしいです。これとは別に来週は安藤さんの講演もあります。
こういった機会は、自分のアイデアや思考に対する何らかの刺激が受けられて有意義です。
また、人前でのプレゼンテーションのいい勉強にもなります。こちらでは、必ずと言っていいほど、笑いを狙ってくる。エンターテイメントの国ですね。昨日も、スライドの中で頭を抱えるゴリラの写真なんかが使われていました。真面目な場所で平気でこういうことをやってくるところがいかにもアメリカらしい。

さて、今回のテーマはサステイナブルデザインでした。
このサステイナブルデザインというやつ、UWでもスタジオのほとんどの課題で出てくるほどここでは流行っています。それを物語っているかのように、会場には学生よりも明らかに年齢層の高い建築家の方々が外部から多く足を運んでいたように見えました。サステイナブルデザインの理念は分かるものの、その手法というか枠組みがいまいち自分なりに消化できていません。ひとえにサステイナブルデザインといっても様々な取り組みが見られるからです。例えば設定する時間の長さによってサステイナブルデザインへの解答は異なってきますし、テクノロジーに注目する人もいれば、材料に注目する人もいる、さらにはライフスタイルや思想に言及する場合も。東大の難波先生はサステイナブルデザインが今後の主要なデザイン手法になるというようなことをおっしゃっておられますので、それとの比較も含めて、自分なりにサステイナブルデザインを消化したいという想いから、この講演会に参加しました。

内容は、あるアートスクールのプロジェクトを取り上げて、そこに取り込まれているサステイナブルデザインについて、デザインとエンジニアリング、プログラムの観点から説明、という感じでした。

このレクチャーで言うところのサステイナブルデザインとは、主に天候・日射・通風・換気に対して、エネルギー的・経済的に解答を出し、デザインに含ませる、ということになるようでした。簡単に言うと室内環境とエネルギーコストでしょうか。しかし、エンジニアが後から加わったためか、出来上がったものが、当初の絵に比べてこてこてとしてしまっているのが少し残念。もう少し早い段階から協働していれば、もっとすっきりした形に納まったのではないかと思ってしまいます。あるいは設計者に、初期の段階からそれを予測していく力(理解や知識)が必要なのか。ピアノとライスのような関係が理想なのかもしれませんね。
個人的には気流をシュミレーションした上で、開口部の位置や断面形状が決められているのが興味深かったです。内藤先生が風(あるいは気流?)をデザイン決定の要素として注目しているのにもつながるかなあとか思いました。

でもやはりまだすっきりと消化できず・・もやもやは続きます。

by ogawa_audl | 2005-02-09 01:59


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