2009年 06月 08日
ポートランド建築・都市めぐり
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建築飲みトモダチのDanにより企画されたオレゴン州ポートランドの建築・都市ツアーへ。
Danはポートランド出身でありこの街をこよなく愛しています。
ほかの参加者は、彼と同じ事務所に短期でカナダから手伝いに来ているIvanとTom、そしてAnimishと僕。
金曜と土曜に二泊。

ポートランドは、川に面した街。
大雑把に分けると、川の西側のダウンタウンエリアと東側の住宅エリアから成っています。
土曜日にはちょうどホテルの部屋のすぐ下の通りで、バラ祭りのパレードが行われていて、にぎやかでした。
僕らはパレードを横目に、Danの解説を受けながら、建築やら街やらをずんずん歩いて回っていました。

ほかには、彼が去年まで学んでいたオレゴン大の建物を覗いたり。
チャイナタウンの近くのレンガ造りの建物をリノベーションして使っています。リノベーションの成功例。
この建物には主に都市寄りの建築と、ビジュアルアートが入っています。
ちょうど卒業式の日で、Danの先生たちと話す機会も。
ひとりの先生の話によると、今ポートランドの建築家(インターンも含めて)のうち、なんと50%が失業中なのだとか。
ポートランドの不景気の話は聞いていたものの、そこまでとは、と驚く。
また学期末ということで、学生たちの力作が展示されていたので、見て回りました。
建築以外にもビジュアルアーツの作品もかなり楽しめました。

チャイナタウンでちょうど2週間の展示をしていたシアトル在住の照明&着物デザイナーのユリさんのところにもお邪魔。
いつもながらパワフルでございました。
彼女がPingというレストランの照明デザインの仕事を通して知り合ったという人脈の名前に、
Danは驚いていました。この街ではものすごく力をもったひとたちのようです。

ダウンタウン周辺のほかには、川の東側の住宅地に点在するいくつかのコミュニティで起こっている
店舗や集合住宅を中心とした盛り上がりや変化を見に行ったり、昔からの高級住宅地を車から眺めたり。

日の出ている時間帯は外を歩き回りましたが、暗くなってからはいつもどおりレストランやらバーやらクラブやらをはしご。
でも、Danのセレクトなので、空間的にも味的にもそれぞれに特徴のある場所へ。




ポートランドの印象としては、NYとか日本の都市に近いように感じました。
まず、ぱっと目に入る情報量が多い。
通りに面して、センスのいい店がならんでいる。
シアトルのダウンタウンに比べて、車道が狭く、街で感じる密集度が高い。
多様な文化が集合している。
駐車場には主に飲食系の露店が並んでいる。

インダストリアルな雰囲気をうまく活用してリノベーションも多い。

ダンがシアトルに不満をもらすのも理解できました。
なんというか、ポートランドのほうが、多様性があって選択肢が多くてしかも質もいい、気がする。
街の活気もあるし、歩いていて楽しいし食べ物もおいしい。

Danが言うには、シアトルの街で見かける若い人たちは、やたらタトゥーを入れているけれど、
ポートランドではそこまで派手なタトゥーを入れているひとはあまり見ない。
実際に街を歩いてみて、確かにそうだなと感じました。

もうひとつついでに、Danはポートランドのほうがシアトルよりも美人が多い、と力説。
うん、まぁそんな気はした。




日曜の晩にシアトルに戻ってきて感じたのは、
もちろんなんとなくはじけていないというのもありますが、
歩道に面して、ソリッドな壁の割合が、ポートランドに比べて高いと感じました。

シアトルとポートランドの差を生み出している最大の要因はなんだろうか、と考えています。

1ブロックが小さい、車道が狭い、露天が認められている、という都市計画上の要因。

もともと街がつくられたときの一軒一軒の建物の幅が狭かったという歴史的背景。

消費税がない、ということからくる、買い物とそれに付随する店舗へのインセンティブ。

NYなど東海岸から西海岸へ来る若者はポートランドを選ぶひとが多いと聞いたこともあります。
それにより、文化やセンスが生活スタイルが持ち込まれるということもありそうです。



それから僕が感じた仮説のいくつか。

シアトルの街では、ビュー・コリドールがよく効いていて、通りの先には、ずばっと海や、山並みや、森が見えたりする。
もう、それだけで結構気持ちいい。視線の向きとしては街を囲む自然へと向かう外向き。
だから、すぐ近くの建築とかお店といったものには、それほど手間をかけないでもいいじゃん、
みたいな意識が多少働いてもおかしくないなと。

一方、ポートランドの街では、通りの先には、インダストリアルな見た目の橋が見えたりする。
それはそれでかっこいい。けど、大自然のような壮大さには欠ける。
ビュー・コリドールの対象がすでに人工物。
それによって、すぐ手元の環境の向上にも意識が向く。
つまり街の中の空間や場所作りが大切になってくる。
視線の向きとしては、街の中心へと向かう内向き。

シアトルはお父さんの街。
郊外の某大企業で働きばりばり稼ぐお父さんたちは、家も自然豊かな郊外。
子供を中心とした家族のためにはその環境が一番なので、
街の中心部を盛り上げようという意識は働きにくい。
都心居住もシアトルではようやく始まったところ。

一方、ポートランドはお兄さんの街。
最先端の服を着てハイセンスなレストランへ行きたいし、
かっこいい場所を街で見つけてみんなに教えたい。
仕事の後も、若い奴らとわいわい盛り上がりたい。
部屋も当然にぎやかな街の中心部に住みたい。

二つの街を比べてみて、そんな風に感じました。



どうやったらシアトルの街はポートランド的な雰囲気を獲得できるのか。
シアトルとポートランドの違いに関しては、またいろいろ周りの友人達と議論してみたいです。
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by ogawa_audl | 2009-06-08 17:29


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